HIV/エイズ

重要事項

  • HIVは、これまでおよそ3,300万人以上の命を奪ってきた世界的な公衆衛生上の重大な問題であり続けています。しかし、日和見感染を含む効果的なHIV予防、診断、治療およびケアの普及が進むにつれ、HIV感染は管理可能な慢性健康状態となり、HIVと共存して長く健康的な生活を送ることが可能となっています。
  • 2019年末の時点でエイズと共生する人々は3800万人と推定されています。
  • HIV対策の国際的協調の努力の結果、HIV感染に対するサービスの普及率は着実に増加しています。2019年には、低・中所得国でHIVと共に生きる世界の成人の68%、子どもの53%が生涯服薬する抗レトロウイルス療法(ART)を受けていました。
  • HIVと共に生きる妊婦や授乳中の女性の大多数(85%)はARTも受けており、これは彼らの健康を守るだけでなく、新生児へのHIV感染を確実に防止します。
  • 2019年末には、HIV感染者の81%が自分自身の状況が分かっていたと推定されています。
  • 67%が抗レトロウイルス療法(ART)を受けており、59%がHIVウイルスの抑制を達成しており、他者を感染させる危険性はありませんでした。東アフリカおよび南アフリカの青年男子約3000万人がVMMCサービスを受けていました。
  • 2020年6月までに2600万人が抗レトロウイルス療法を受け、2019年末の推定値2540万人から2.4%増加しました。比較すると、2019年1月から6月の間に治療の普及率は推定4.8%増加しました。
  • COVID-19パンデミックの影響でHIV検査や治療開始が減少し、またARVの破綻により、治療を開始した人々の数は予想をはるかに下回っています。2020年末までに、検査および治療率は確実に回復していますが、なお安定的ではありません。
  • それにもかかわらず、2000年から2019年の間に、新規HIV感染は39%減少し、HIV関連死は51%減少し、1530万人がARTにより救命されました。これは、市民社会や国際開発パートナーが支援する国家HIVプログラムの多大な努力の結果です。
  • しかし、その成果は地域、国、人口集団によって様々です。しかし、誰もがHIV検査、治療、ケアの恩恵を受けることができるわけではありません。
  • 特に、2018年のSuper-Fast-Trackである小児HIV新規感染を40000例に減少させる目標は達成されませんでした。COVID-19パンデミックの前でさえ新規感染と死亡の減少が停滞状態となりました。2020年の世界90/90/90の目標は、早急な措置をとらなければ達成できない危険性があります。
  • HIVサービスの目標からの落ち込みにより、2019年にはHIVを起因とした原因により690,000人々が死亡し、170万人々が新たに感染しました。
  • 新たな世界目標である95/95/95に到達するためには、COVID-19中のHIV医療サービスの崩壊によるHIV感染の増加、HIVに対する公衆衛生の対応の鈍化によるサブサハラ・アフリカの最悪のシナリオである50万人の超過死亡を回避するための努力を倍加する必要があります。
  • 取り残された人々に焦点を当てた対応が必要です:鍵となる人口グループとその性交渉相手は、2019年の15-49歳の年齢層における世界の新規HIV感染者の6620%以上(原文ママ)を占めています。東ヨーロッパと中央アジア、アジアと太平洋、西ヨーロッパと中央ヨーロッパ、北米、中東と北アフリカでは、これらの人口グループがこれらの各地域の新規HIV感染の95%以上を占めていました。
  • WHOは、鍵となる集団を、すべての国や地域で高いHIVリスクに直面する人々と定義しています。その集団は、男性と性交渉する男性、薬物を注射する人、拘置所やその他の閉鎖された環境にいる人、セックスワーカーとその客、性転換者などです。
  • HIV脆弱性が増大するのは多くの場合、法的・社会的要因と関連しており、それがリスクを増大させ、効果的で質の高い、手頃な価格のHIV予防、検査および治療サービスの普及を妨げる障壁を生み出しています。適切な対応によりHIV対策の中で鍵となる人口集団に優先順位を付けることは、流行に最も大きな影響を与え、新たな感染を減少させるでしょう。
  • さらに、生活環境を考慮すると、ある特定の人々は特に脆弱であり、アフリカ南部および東部の思春期の女子や若い女性、一部のコミュニティの先住民など、HIV感染のリスクが高まっている可能性があります。
  • HIV感染者の3分の2以上は、WHOアフリカ地域(2,570万人)に住んでいます。この地域の一般人にHIVが蔓延している一方で、ハブとなる集団に新たな感染者が増加しています。
  • HIVは、検査のその日のうちに結果が得られる迅速診断検査によって診断することができます。HIV自己検査の利用は増加しており、医療機関などでHIV検査を受けられない人々が検査を受けやすくする代替手段となっています。迅速検査と自己検査は診断と治療、ケアに大きく結びついています。
  • HIV感染症の根治療法はありません。しかしながら、効果的な予防法があります:母子感染の予防、男女のコンドーム使用、危険な行動を低減すること、曝露前後の予防、ウイルスを制御し、他人への感染を予防するのに役立つ自発的な医学的男性割礼(VMMC)および抗レトロウイルス薬(ARV)などです。
  • 科学は速いペースで進歩しています。HIVに感染しない新しいCD4T細胞を再輸注するというがんに対する骨髄移植を行い、「機能的治癒」となった人が2人います。しかし、治療法もワクチンも、現在HIVと共生するか、HIVのリスクのあるすべての人々を治療し、守るために利用できるわけではありません。

本件ファクトシートについては厚生労働省検疫所ホームページでも全文の日本語訳が公開されていますので、ご参照下さい(改訂前)

厚生労働省検疫所ホームページ :HIV/AIDSについて (ファクトシート)

ⓒWorld Health Organization

文章は、日本WHO協会がWHOのメディアセンターより発信されているファクトシートのキーファクト部分について、2014年3月にWHO本部より付与された翻訳権に基づき作成したものです。ファクトシートには、訳出部分以外にも当該案件に関する基本的情報や詳細情報へのリンク先などが示されていますし、また最新事情に合わせて頻繁に見直しが行われますので、更新日時の確認を含めWHOホームページでの原文をご確認ください。

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