HIV薬剤耐性

重要事項

  • 2021年末の時点で、世界で 2870 万人が抗レトロウイルス療法を受けていました。 HIVの薬剤耐性獲得は、抗レトロウイルス薬の有効性を低下させて、HIV感染とHIV感染に伴う疾病そしてそれによる死亡率を悪化させる恐れがあります。
  • WHOに報告された 30 件の調査中 21 件で、一次抗ウイルス薬療法を開始した集団では、ネビラピン(NVP)またはエファビレンツ(EFV)に対する治療前のHIV薬剤耐性は 10 % を超えていました。
  • 非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)クラスの薬剤に対する治療前のHIV薬剤耐性は、抗レトロウイルス薬への曝露経験がある人に最大で 3 倍多く見られます。
  • HIVに感染した母親から生まれた乳児のほぼ半数は、1 種類以上のNNRTIに対するHIV薬耐性をもっています。
  • NNRTI薬剤クラスに対して世界的に薬剤耐性が見られることは、より新しいドルテグラビルを基本とした薬剤療法へ速やかに移行する必要性があります。
  • HIV薬剤耐性を阻止するためには、世界の全ての関係者が、HIV感染症の最適な治療医薬品が入手できるよう促進するとともに、ケアの保持と治療を患者が最大限遵守するよう支援し、HIV治療が奏効しているかどうかを知るためのウイルス負荷試験の実施を普及させ、治療失敗が確認された症例では迅速に薬物療法を切り替えなければなりません。
ⓒWorld Health Organization

文章は、日本WHO協会がWHOのメディアセンターより発信されているファクトシートのキーファクト部分について、2014年3月にWHO本部より付与された翻訳権に基づき作成したものです。ファクトシートには、訳出部分以外にも当該案件に関する基本的情報や詳細情報へのリンク先などが示されていますし、また最新事情に合わせて頻繁に見直しが行われますので、更新日時の確認を含めWHOホームページでの原文をご確認ください。

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