労働者の健康
キーファクト(主要な事実)
- 多くの国では、労働者の半数以上が非正規セクターで働いており、適切な保健医療を受けるための社会的保護がなく、労働安全衛生基準の法的適用を受けられていません。
- 労働者に対し労働条件の改善と各自の健康を監視する労働衛生サービスを提供しているのは正規セクターの大企業がほとんどであり、世界の中小企業や非正規セクターの労働者および農業従事者、移民労働者の85%以上は、いかなる労働健康保険にも加入していません。
- けが、騒音、発がん物質、空気汚染物質や人間工学的リスクなど特定職業のリスクは、慢性疾患にたいする疾病負荷の相当な原因となっており、腰痛症例では37%、難聴では16%、慢性閉塞性肺疾患(COPD)では13%、喘息では11%、傷害では8%、肺がんでは9%、白血病では2%、うつ病では8%を占めています。
- 主として開発途上国において、年間1220万人が労働適齢期のうちに非感染性疾患のために死亡しています。
- 多くの国において、労働関連の健康問題による経済的損失はGDPの4~6%に相当する。労働衛生関連の疾病を予防するために必要な基礎保健サービスには、平均して労働者一人当たり18~60米ドル(購買力平価)のコストがかかります。
- 労働者の約70%は、職業上の疾病やけがを補償するいかなる保険にも加入していません。
- 研究によると、職場における意識的な健康への取り組みは、疾病による長期欠勤を27%減らし、企業の保健関連コストを26%減らすことができると実証されています。
ⓒWorld Health Organization
文章は、日本WHO協会がWHOのメディアセンターより発信されているファクトシートのキーファクト部分について、2014年3月にWHO本部より付与された翻訳権に基づき作成したものです。ファクトシートには、訳出部分以外にも当該案件に関する基本的情報や詳細情報へのリンク先などが示されていますし、また最新事情に合わせて頻繁に見直しが行われますので、更新日時の確認を含めWHOホームページでの原文をご確認ください。