黄熱病
重要事項
- 黄熱病はウイルス性の急性出血性疾患であり、感染した蚊が媒介して伝播します。病名の「黄色」は患者によっては黄疸がでることに由来します。
- 黄熱病の症状は、発熱、頭痛、黄疸、筋肉痛、吐き気、嘔吐及び倦怠感などです。
- ウイルスに感染した患者が重症化する割合は小さいが、重症化すれば約半数は7~10日以内に死亡します。
- このウイルスは、アフリカ及び中南米の熱帯地域で流行しています。
- 黄熱病の大流行は、多くの人々が予防接種していないため免疫がほとんど無いか、又はまったく無いうえに、蚊が多く生息する人口密集地に、感染者がウイルスを持ち込むことで発生します。このような状況下では、感染したアエデス・エジプト種の蚊によって人から人へのウイルス感染が生じます。
- 黄熱病には非常に有効なワクチンがあり、予防可能です。そのワクチンは安全で手頃な費用で手に入ります。黄熱病ワクチンは1回の接種で免疫力が生涯持続します。追加のワクチン接種は必要ありません。ワクチン接種後10日以内に80~100%の人に、30日以内に99%以上の人に充分な免疫ができます。
- 病院での適切な支持療法は生存率を高めます。黄熱病に対する特異的な抗ウイルス薬は現在のところありません。
- 2017年に開始された黄熱病流行根絶(EYE)戦略は、画期的なイニシャティブです。50以上の機関が参画するEYEパートナーシップは、アフリカとアメリカのリスクのある40カ国に対して、黄熱病の疑いある症例を検出し、流行予防の対応を支援します。パートナーシップは、リスクのある集団を保護し、国際的に拡散するのを防ぎ、流行を早急に押さえ込むことを目指しています。2026年までに、10億人以上の人々がこの疾病を免れることが期待されています。
本件ファクトシートについては厚生労働省検疫所ホームページでも全文の日本語訳が公開されていますので、ご参照下さい
厚生労働省検疫所ホームページ :黄熱病について (ファクトシート)
ⓒWorld Health Organization
文章は、日本WHO協会がWHOのメディアセンターより発信されているファクトシートのキーファクト部分について、2014年3月にWHO本部より付与された翻訳権に基づき作成したものです。ファクトシートには、訳出部分以外にも当該案件に関する基本的情報や詳細情報へのリンク先などが示されていますし、また最新事情に合わせて頻繁に見直しが行われますので、更新日時の確認を含めWHOホームページでの原文をご確認ください。