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世界の健康10の挑戦-2021を振り返る

今年は、グローバルヘルスの分野で、大変な努力がなされた年でした。 各国は、COVID-19と戦いながら、保健サービスを維持するために奮闘しています。 医療・介護従事者は、これらの努力の大部分を負担してきましたが、しばしばほとんど評価や報酬を受けていません。 新年を迎えるにあたり2021年に明らかになった 10 の挑戦 ・ 課題を紹介します。

(1) COVID-19に対する技術革新と、並行して発生した不公平性
COVID-19ワクチンは世界中で 80 億回以上投与されましたが、11月末までにアフリカの医療従事者の 4 人に 1 人しか完全な接種を受けたにすぎません。 低所得国での検査は、世界全体のわずか 0.4 % にとどまっています。 WHOは世界的なワクチン接種目標を設定し、ACT-アクレラレーターやCOVAXによる供給を進めています。

(2) 新たに発生する緊急事態と持続する危機
WHOとパートナーは、医療システムが疲弊したイエメンや 10 年以上も続くシリアの人道危機に巻き込まれた地域社会の支援を続ける一方、アフガニスタンやエチオピア北部で新たに発生した危機にも対応しています。

(3) 医療サービスによる貧困化の課題
UHC (ユニバーサル ・ ヘルス ・ カバレッジ) への道のりはWHOの指標であり続けています。 しかし、5億人が医療費の支払いが原因で極度の貧困に追い込まれています。 パンデミックの結果、状況はさらに悪化するため、私たちは努力を重ね、「Health For All」を復興の叫びとしなければなりません。

(4) 女性の貢献の大きさと女性の課題
医療制度やサービスが過去 2 年間の嵐を乗り越えたとすれば、それは医療 ・ 福祉従事者の 70 % を占める女性の大きな犠牲と貢献によるところが大きいのです。 WHOは、女性の科学分野への参加を阻む障壁を取り除き、より多くの女性が知識の限界を押し広げ、公衆衛生を守ることができるよう取り組んでいます。 また、子宮頸がん、乳がんなどへの取組みを強化しています。

(5) マラリアワクチンは、さまざまな感染症対策の希望の光となる
特にサハラ以南のアフリカで、マラリアの危険にさらされている子どもたちにマラリアワクチンの普及をWHOが勧告できたことは、子どもの健康とマラリア対策にとって画期的な出来事となりました。 この勧告は、ガーナ、ケニア、マラウイで進行中のRTS,Sワクチンのパイロットプログラムによる結果に基づいており、2019年以降、80 万人以上の子どもたちに投与されています。 このワクチンは、2020年にアフリカで 60 万人以上の命を奪ったマラリアとの闘いを再び活性化させることになりました。

(6) 糖尿病との闘いを新たに後押し
WHOは糖尿病の予防と治療に関する行動を加速させるため、「グローバル糖尿病コンパクト」を立ち上げました。 インスリンとその関連製品の普及進めるため、WHOがインスリン製剤を必須医薬品リストに掲載したことは、事前承認への道が開かれ、企業競争が活発化し、価格が下がることが期待できます。

(7) タバコの消費量が減少と懸念する進捗
2000 年から 2020 年までの間に、タバコを使用する人の数は 6,900 万人減少し、世界人口の約 3 分の 1 から 4 分の 1 以下となりました。 2 年前、2010年から2025年の間にタバコの使用量を 30 % 削減する予定だった国は、わずか 32 カ国でした。 現在では、60 カ国が削減目標達成に向けて進んでいます。 しかし、タバコ産業がCOVID-19の大流行を利用して多くの国の政府に影響力を持つようになったため、進展は遅々としています。

(8) 認知症の拡大に警鐘を鳴らす
世界では 5,500 万人以上が認知症を抱えており、2050年には 1 億 3900 万人にまで増加すると推定されます。 健康を維持するために、個人は自分で多くのことを行うことができますが、自分一人ですべてを行うことはできません。 WHOは、認知症に対する公衆衛生の世界的な対応状況に関する初の報告書を発表し、国レベルでの支援を強化することが急務であると警鐘を鳴らしました。

(9) 気候変動対策は地球存続の鍵
WHOの「世界大気質ガイドライン」を発表し、COP26では「気候変動対策に向けた健康の主張」報告書と世界の保健医療従事者の3分の2を代表する組織が署名した公開書簡を提出しました。 地球への取り返しのつかないダメージに対処するために、WHOは個人的なものから組織的なものまで、存続の危機に立ち向かいます。

(10) より強いWHO を目指して
2021年末にWHOはパンデミックの予防、準備、対応に関する新たな条約、等の国際的手段の起草と交渉のプロセスに乗り出すという歴史的な決定を下しました。 世界全体の健康安全保障を高めるには、世界規模で保健 ・ 医療の枠組みの中心に位置するWHOを強化し、権限を与え、持続的に資金を調達する必要があります。 「持続可能な資金調達に関するワーキンググループ」は、WHOのより持続可能な資金調達に向けた具体的な提言を作成しました。 2021年、WHOはまた、各地域社会における活動において性的搾取や虐待に対するセーフガードを強化し、自らのスタッフをセクハラからよりよく守るための緊急の旅に出ました。

記事の詳細はWHOのウエブサイトをご覧ください。

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