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ウクライナ危機戦略対応計画 (2022年6月~12月)

このWHO戦略的対応計画 (SRP : Strategic Response Plan) は、ウクライナの紛争の影響を受けた人々に救命支援を提供するパートナーとの協力のもと、ウクライナ国内外を問わず実施されるものです。

SRPは、ウクライナ・フラッシュ・アピールに基づく包括的な枠組みであり、準備、対応、早期復興の活動を主導する国や地方自治体を支援し、アクセスや場所に応じた作業の優先順位と指針を示すもので、期間は 6 ヶ月間です。

ロシアの軍事進攻が開始されて以来、現在まで 800 万人が国内避難民となり、630 万人以上 (うち 9 割が女性と子ども) が国境を越えて隣国に逃れ、国連難民高等弁務官事務所の報告では 250 万人が他国への移住を企図しています。

5月30日までの累積で、医療施設などに対する 265 件の攻撃が報告され、59 人が負傷、75 人が死亡したとされています。 約 300 の医療施設が紛争地域にあり、1000 の医療施設が支配権の移動した地域にあるため、医療システムは損傷や混乱によって、医薬品、医療施設、医療従事者へのアクセスが制限されているか全くない状態で、ウクライナの薬局の 50 % 近くが閉鎖されたと推定されます。

救急医療サービス、外科部門、集中治療室は外傷患者で溢れかえっています。 医療へのアクセスは制限され、必要不可欠な医療サービスは中断または崩壊し、糖尿病、がん、心血管疾患などの慢性/非伝染性疾患の治療が危険にさらされています。同様に、メンタルヘルス、性 ・ 生殖 ・ 母性医療、妊産婦ケア、子どもの健康、障害者支援も大きく損なわれています。

SRPの目標は、ウクライナで戦争の影響を受けたすべての人々の死亡率と罹患率を最小限に抑えることです。 ウクライナ国内、難民受入国のどこにいても、一刻を争う救命支援、緊急・必須保健サービスへの無差別アクセス、優先予防プログラムの提供、さらにこの危機に対処し回復する保健システムの支援と強化によって、死亡率や罹患率を最小限に抑えることです。

人命救助と心の健康を守ることは、引き続きウクライナの保健分野での対応の優先事項です。 武力紛争、COVID-19、ポリオ、その他の健康上の脅威の影響を受けた負傷者と他の人々が、緊急医療と基本的医療サービスにアクセスできるようにすることが活動の焦点となっています。

SRPは明確な予算枠と資金源と結びつき、状況の変化に対応できる詳細な活動と指標を持つ、より具体的な行動計画を策定するためのガイドとなることを意図しています。

記事の詳細はWHOのウエブサイトをご覧ください。

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