ACTアクセラレーター (Access to COVID-19 Tools Accelerator : ACT-A) は、COVID-19パンデミックに対する効果的かつ公平な世界的対応を可能にするために、2020年 4月に発足しました。
ACT-Aの当初の目的は、”新しい診断薬、医薬品、技術を開発、試験、上市、調達、配布するための迅速かつ野心的な作業プログラムを通じて、COVID-19との闘いに不可欠な健康製品を開発し、それらが公平に配布されるようにするとともに、保健システムがこれらのツールを必要としている人々に確実に提供できるよう支援策を講じる “もので、今回のACT-A外部評価は、ACT-A運用の経験からんだ将来のパンデミックへの備えと対応のための重要な教訓を明確にするため、2022年 7月11日から10月10日にかけて実施されました。
主な評価結果は以下の通りです。
1 ) 当初は中低所得国からの十分なインプットがないまま、ACT-Aの目標、手法、資金調達のアレンジメントが決定され、その結果、オーナーシップが希薄になった。
2 ) ワクチン部門 (COVAX) の世界的な展開はあまりにも野心的であった。 COVAXは当初想定していたような市場形成の役割を果たすことができなかった。 野心的でなく、より的を絞ったアプローチがもっと有効であったろう。
3 ) 将来のパンデミックに対応するためには、別の設計が必要である。 ACT-Aは発足当時には素晴らしいイノベーションであったが、今後はパンデミック対応のための異なるモデルが必要とされる。
4 ) 対応のスピードを優先し、既存の国際保健機関をパンデミックへの対応に利用したため、説明責任と透明性が損なわれていた。
5 ) ACT-Aは 235 億ドルという多額の資金を調達したが、実施期間全体を通じて大きな資金ギャップに直面した。
6 ) ワクチンの柱は ACT-A の中で最も成功した部門とされ、治療薬と診断薬の柱も重要な貢献をしている。
しかし、保健システム部門 (Health Systems & Response Connector : HSRC、保健システム ・ 対応コネクター) は失敗と見られている。 この柱は大部分が機能不全に陥り、最初のアプローチは誤解されていた。 本来「柱」ではなく、MCM (medical countermeasures) を国のシステムに組み込むためのメカニズムであるべきであった。
ACT-Aの詳細は日本国際交流センターのサイトをご覧ください。
記事の詳細はWHOのサイトおよびACT-Aプラットホームのサイトをご覧ください。