体罰と健康
キーファクト(主要な事実)
- 体罰は、家庭でも学校でも、世界的に広く行われています。 2 ~ 14 歳の子どもの約 60 % が、親やその他の養育者から定期的に体罰を受けています。 国によっては、ほぼすべての生徒が学校の職員から体罰を受けていると訴えています。 体罰を受けるリスクは、男子も女子も、また裕福な家庭の子どもも貧しい家庭の子どもも同じです。
- 体罰は子供の行動問題を長期的に増加させ、良い結果をもたらさないというデータがあります。
- すべての体罰は、それがどんなに軽いものであっても、エスカレートする危険性を内在しています。 研究によると、体罰を行った親は、深刻な虐待を行うリスクが高いと言われています。
- 体罰は、国や文化を問わず、身体的・精神的不調、認知的・社会的情緒的な発達障害、成績の低下、攻撃性の増大、暴力的犯行に及ぶなど、子どもたちにさまざまな悪影響を及ぼすと言われています。
- 体罰は、身体の完全性および人間の尊厳の尊重、健康、発達、教育、ならびに拷問およびその他の残虐な、非人間的なまたは品位を傷つける取り扱い、または罰を受けないという子どもの権利の侵害です。
- 子どもに対する暴力の撲滅は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」のいくつかのターゲットで求められていますが、最も明確なのはターゲット 16.2 の「子どもに対する虐待、搾取、人身売買、あらゆる形態の暴力と拷問をなくす」です。
- 体罰とそれによって引き起こされる害は、法律の改正、子育てや体罰に関する有害な規範の変更、親や介護者の支援、学校を中心としたプログラムなど、多部門・多面的なアプローチによって防ぐことができます。
ⓒWorld Health Organization
文章は、日本WHO協会がWHOのメディアセンターより発信されているファクトシートのキーファクト部分について、2014年3月にWHO本部より付与された翻訳権に基づき作成したものです。ファクトシートには、訳出部分以外にも当該案件に関する基本的情報や詳細情報へのリンク先などが示されていますし、また最新事情に合わせて頻繁に見直しが行われますので、更新日時の確認を含めWHOホームページでの原文をご確認ください。